心の扉

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街路樹の葉がレンガ色に染まり始めたある朝、ボンクの家に小包が届きました。  差出人はトロンコでした。

 

ボンクとトロンコの出会いは旅先の小さなバーでした。 
たまたま彼らがペリカンの同じ万年筆をシャツのポケットに差していたことがきっかけで会話が始まり、モノに対するコダワリ・考え方そして旅の目的が似ていたことで会話が弾み自然に意気投合しました。 
しばらくの間ボンクはトロンコと共に行動しトロンコに沢山のアドバイスをもらい、たくさんの夢を語り合い再会を約束しました。 

 

トロンコとは何年会っていないだろうか・・・ 

 

相変わらずベストを着ているのだろうか? 

 

まだペリカンの万年筆を使っているのだろうか? 

 

当時、「いつかはモンブランの149」と言っていたがもう149を使っているのだろうか? 

そして旅の目的でもある素敵なモノを見つけたのだろうか?素敵な人達に出会えたのだろうか? 

 

ボンクはトロンコとの出会いや旅、語り合った夢などを振り返りながら同時に夢を夢で終わらせてしまいそうな自分の力の無さに嫌気を感じていました。 
ボンクはここ何年か、一人でできることに限界を感じもがいていたのです。

そして旅にも出ていなかったのです。 

 

ボンクはトロンコからの小包を開けました。小包の中には正方形のリスシオというダイアリーと地図が印刷されたキャンバス地のダイアリーカバーが入っていました。 

 

ボンクはそれらを見た瞬間気付いたのです。 

旅に出ていないことに、出ようとしなかったことに、一人では何もできないことに、一人でしなくても良いことに、仲間がいることに。 

ボンクは数枚の着替えと数本の万年筆、ノート、カメラそしてトロンコにもらった大切な地図をボストンバッグに詰め込みました。 
ボンクは素敵なモノを見つけに行こうとしています、素敵な人達に出会いに行こうとしています。 

 

トロンコの地図がボンクの心の扉を開いたのです。

 

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このブログ記事について

このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2011年11月22日 11:50に書いたブログ記事です。

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