トロンコのメモ帳

| コメント(0) | トラックバック(0)

クリスマスの神戸の夜景はトロンコの目にも美しく映っていました。

景色は、特に夜景は寒ければ寒いほど美しく灯りがきらめきますが、今年の神戸はいつもより寒いのでこんなに美しいのだと、トロンコは思ったりしていました。

 

クリスマスと聞くと、子どもの頃住んでいた狭い家での家族との時間を思い出します。

お父さんもお母さんも妹もいて、小さなクリスマスツリーには赤と緑の電球が光っていました。

その光景を思い出すので、クリスマスツリーを見たり、クリスマスと聞いたりするとトロンコは温かい気持ちのなるのです。

 

子どもの頃六甲山頂から見た神戸の街の夜景は今でもトロンコははっきりと覚えています。

それほど高くも、かといって低くもない六甲山からは、神戸の街の東半分がちょうど良く見渡せます。キャンバス地のダイアリーのカバーのように地図が描けるくらいに見えるのです。

その頃は分からなかったけれど、大人になったトロンコはその街の風景のたくさんの灯りの中に、それぞれの家族の暮らしや人生があると思うと、胸が熱くなりました。

 

知らない街にこんなにたくさんの人が住んでいる。

世界中にはたくさんの同じような街があって、たくさんの自分たちと同じような家族がいると思うと、自分はこの世界において本当にちっぽけな存在だと思います。自分がこの世に生きたことを知らない人の方がはるかに多いと思うと、自分の利益ばかりを主張せず、周りの人を大切にして生きていきたいと謙虚な気持ちになるのでした。

 

ボンクときれいな夜景を見ながら、いつものようにボーッと子供の頃のことを思い出していましたが、心に浮かんだことや、見て感じたことをすぐにメモに書く習慣のあるトロンコは先日出来上がったばかりのメモ帳に、ペリカンの小さな万年筆M300でひと言ふた言、メモを書きました。

 

M300はシャツやベストの小さなポケットにも入るとても小さな万年筆ですが、吸入式になっているところがペリカンらしく、この万年筆を写真に撮ると、はるかに大きなM800と同じように見えるところもとても面白いと思っていました。

この万年筆のおもちゃっぽさをトロンコは気に入っていました。

 

トロンコがずっと使っていて、ボンクも気に入ってくれたメモ帳をモデルに作ったものは想像以上の出来栄えでした。

とてもシンプルなメモ帳のアイデアを70歳をすぎてもとてもパワフルな革屋さんと、ヤレ紙をカットして用意してくれた印刷屋さんの協力があって、トロンコのボロンチョなメモ帳がとても良いものになったのです。

 

今のメモ帳を使うまでトロンコは本当にたくさんのメモ帳を使ってきました。

メモ帳が好きで文房具屋さんでメモ帳を見るとすぐに買ってしまうということも理由ですが、紀行作家のトロンコはいろんなところに行って立ったまま何かを書くことが多く、メモ帳は必需品で理想のメモ帳をずっと探していたのです。

どんな文学や発明も多分わずかなメモ書きから始まったと思うと、メモを書くという行為にロマンを感じていて、大切にしたいと思っていました。

トロンコは何かを書く前に頭の中で書く物事についての切り口を探しますが、それに思い当たった時にすぐに書いておかないとそのアイデアはすぐに逃げてしまうのです。

 

そうやってたくさんのメモ帳を使ってみてもトロンコは理想のメモ帳を見つけられずにいました。

どんなメモ帳よりもチラシの裏や書き損じの原稿用紙の裏の方がメモが書きやすかったし、アイデアが広がっていくような気がしました。

それらの紙を葉書くらいの大きさに切って、穴を空けて表紙を付けて、ヒモで綴じただけのとても簡単なメモ帳がトロンコのメモ帳で、でも結局それが一番使いやすい。

トロンコは厚い本を買うととても得をしたような嬉しい気持ちになりますが、紙をたくさん綴じた裏紙のメモ用紙はそんな感覚に近く、メモ帳が厚ければ厚いほどいろんなことが書けるような気がしました。

 

ヤレ紙はチラシの裏や書き損じの原稿用紙の裏の替わりになりそうでした。

メモ帳に書いたものをダイアリーに清書したり、原稿用紙に書くためのネタとして使う。

メモは本当に全ての始まりなのだとトロンコは改めて思うのでした。

理想のメモ帳ができたので、今度はボンクが言っていた、机で使ったり、旅先の小さなテーブルでも使っている原稿用紙を束ねて入れておけるような革の封筒を、それもとても上質で触っているのが楽しくなるようなものを作りたいと思いました。

二人はペリカンM1000の3Bというマーカーのように太い線が書ける万年筆で原稿用紙を書くことが好きだったのです。

 

またボンクと二人で相談をはじめました。

 

もう大晦日、神戸の人たちは大都会の人たちと違ってそれほどセカセカと慌しくはしていないけれど、年の瀬の雰囲気は神戸の街にもありました。年が変わっても何も変わらないけれど、自分の気持ちの持ち方ひとつで素晴らしい年にできる。

 

トロンコはボンクとともに今までとは違う新しい年の予感を感じていました。

 

WRITING LAB. オリジナル サマーオイルメモノート 取扱店

*Pen and message.

https://www.p-n-m.net/contents/products/OG0057.html

*RIVER MAIL

 http://www.river-mail.com/product/859

 

 

 

トロンコのメモ帳.jpg 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://writinglab.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/11

コメントする

このブログ記事について

このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2011年12月27日 12:08に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「秘密基地完成」です。

次のブログ記事は「ボンクの夢」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。