神戸へ

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トロンコから地図が届いた次の日からボンクは旅に出ていました。行先は決めずただひたすら北へ。

寒い季節にはさらに寒いところへ、暑い季節にはさらに暑いところへ。

寒い季節と暑い季節では服装も違えば食べるものも違ってくる。街の雰囲気や匂い、

空の色、海の色、山の色、流れる音楽・・・自分の気持ちも。

それらを徹底的に味わう、これがボンクの旅のコダワリ、楽しみ方なのです。

 

一週間ほどの旅でいろいろな人に出会ったり、良いモノを見たりそれなりに旅を楽しんだボンクでしたが、何か物足りずウエストニューヨークのアパートへ帰ってきました。

物足りない原因はトロンコが送ってくれた地図が印刷されたダイアリーカバーでした。

 

こだわって作られた良いモノはたくさんあり、今まではそれらを求めて満足してきたボンクでしたが、トロンコが作ったダイアリーカバーを見てから、作られたモノを求め使うより自分なりにこだわったモノを作って使いたいと思うようになりました。

 

そんな時にトロンコから一通の手紙が届きました。

手紙には「家にいても世界中を旅できるような書斎を作ろうと思っている、一緒に考えないか?」と書かれていました。

 

考える間もなくボンクの頭のなかに飛び込んできたのは「秘密基地」でした。

 

小さい頃誰もがあこがれた秘密基地、ボンクの秘密基地は家の中の小さなクローゼットの奥でした。吊るしてある母親の服をかき分け奥まで入ると子供が2人入れる何も置いていないスペースがあり、そこに大切なモノやお菓子などを持ち込み母親に見つからないよう自分だけの時間を過ごすのです。

 

ボンクは子供の頃の記憶が蘇ってきたのと同時に、大人になって忘れていた純粋にワクワクする気持ちを思い出しました。

 

このワクワク感をトロンコと一緒に味わいたい。そして他の大人たちにも味わってもらいたい。大人が真剣に遊べるものを作っていきたいと思いました。

 

ボンクはいろいろなことを教えてくれたトロンコを尊敬しています。

勢いで行動するボンクとは違い、少し天然なところはあるけれどドッシリと構え、一見堅そうに見えるが実はとても柔らかい考えをもっている。

そんなトロンコにボンクはいろいろな面で影響を受けていました。

 

いつも旅の準備は楽しいものです。どんな服を着ていこうか、どんな靴を履いていこうか、どんなものを持っていこうか・・・、トロンコに会うのもとても楽しみです。

しかし今回はいつもと違いました、楽しさの中に緊張感がありました。

トロンコの真剣さが手紙でも伝わってきたのです。ボンクはトロンコと会うのに失礼の無いものを選びました。ボンクもトロンコに真剣さを伝えたかったのです。

 

靴は磨き込んだ内羽根のストレートチップを、腕時計は革ベルトの小振りの3針を、万年筆はアウロラ88、ペリカン ホワイトゴールド、ペリカン M10003本を選び地図のダイアリーカバーといっしょに鞄に詰めこみました。

 

神戸はどんな街なのだろうか?どんな机が作れるのだろうか?これから何が始まるのだろうか?

 

ボンクはいろいろなことを考えながらクリスマス色に染められたウエストニューヨークを後にしました。

 

 

 
神戸へ

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2011年12月 6日 12:44に書いたブログ記事です。

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