フィレンツェの工房へ

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トロンコとボンクは革工房クワドリフォリオのご夫妻を訪ねてフィレンツェにやって来ました。

トロンコがフィレンツェを訪ねるのは2回目、ボンクは数え切れないほど来ています。

トロンコはフィレンツェの街が大好きでした。

世界中から観光客の人たちがたくさん訪れて、皆がとても楽しそうにしています。

この街を訪ねる人たちは誰もが幸せそうにしていて、それがこの街の雰囲気になっているのです。

この街の雰囲気に身を置けることがとても幸せに感じられました。

観光地を侮る人がいますが、トロンコは観光地には観光地の楽しさがあると思っています。

 

でもこの街で見られる幸せは、皆がそれぞれの人生の中でも最も幸せだと思っている時間で、日常に戻ればまた静かで厳しい時間の中に身を委ねなければならない。

そう、自分の力で生きていくということは厳しいことだとトロンコは思います。

沈鬱な低い空のトロンコの祖国に比べると楽園のように見えるこの土地にも、模造品の絵画を警察の目を盗んで露天で売るアフリカ系の若者たちや、物乞いのジプシーの少女がいる。

毎日4時間も昼寝して、週末にいつもピクニックに出掛ける優雅な生活をしているように見えるクワドリフォリオのご夫婦もきっと大変だったと思います。

フィレンツェには世界中から革製品の作り方を習いたいと思い若者が集まっていますが、クワドリフォリオのご夫妻も同じく祖国を飛び出して来たのです。

 

言葉もあまり話せないまま、革の扱い方を習いたいという情熱だけを持ってフィレンツェに来ました。

自分たちで教えてくれる師匠を見つけて修行させてもらえるようになって、二人で工房を始めることができるようになったのも、二人に四葉のクローバーがついていたのかもしれません。

 

ラッキーな二人はもちろん大変な努力もしてきただろうし、将来に対する不安もあると思うけれど、そんなことを全く表に出さずとても明るく愉快です。

トロンコとボンクは二人のそんなところが好きで、一緒に革製品を作りたいと思ったのでした。

 

まずはフィレンツェのしぼり技法を生かしたペンケースを作ろうということになって話し合いました。

 

基準になるペンのサイズ、形状など朝から晩まで話しました。

ペンケースの仕様が決まったのは夜遅くでしたが、4人はとても楽しく話をして、時間はあっという間に過ぎていったのでした。

クワフォリフォリオのご主人は靴を専門に作っていて、靴が好きなボンクとトロンコはクワドリフォリオのご主人が作る靴もいつか履いてみたいと思いました。

ご夫妻はしばらく時間が欲しいと言っていましたが、トロンコとボンクはいつまでも待つつもりでした。

なぜならクワドリフォリオご夫妻はイタリアの時間の中で生きているのですから。

 

フィレンツェの工房へ.jpg

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2012年3月27日 12:13に書いたブログ記事です。

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