思い出がつまった革ジャン

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ボンクは毎年この時期になると革ジャンの手入れをします。

一着一着、ブラッシングで隙間につまった埃を落とし、保湿クリームを塗りハンガーにかけ秋まで休ませます。「A-2」や「G-1」などのフライトジャケットは洗濯機で丸洗いしそのまま乾燥機にかけます。

ボンクの初めての革ジャンは「A-2」と呼ばれるフライトジャケットでした。

学生時代ボンクは古着屋でアルバイトをしていました。二か月に一回、オーナーが買い付けてきた商品がダンボール50箱から60箱届きます、ワクワクしながらダンボールを開け検品し、値付けをしていきます。そしてアルバイト代の大半はここで消えていくのでした。

A-2」との出会いもこの作業中でした。いつものようにダンボールを開けるとラフウェア社の珍しいデッドストックの「A-2」が出てきました。大量の荷物を検品しながらも常にボンクの目はデッドストックの「A-2」に。

検品が終わりボンクはオーナーに交渉しました。

 

ボンク   「あの、このA-2ですが・・・」

オーナー 「欲しいのか?」

ボンク   「はい・・・」

オーナー 「・・・一か月後に持って帰ってもいいぞ。」

ボンク   「?持って帰って?」

オーナー 「ああ。先月の3倍売上げたら持って帰れ。」

 

次の日からボンクはだれかれ構わず声をかけお店に来てもらいました。

友達、先輩、後輩、先生、親戚、近所の人達。特に後輩はたくさんの人を連れてきてくれました。

一か月後、3倍には届かなかった売上げでしたが、オーナーから「持って帰れ」の一言が。

早く馴染まそうと一か月位は寝る時も着ていました。

どうしたら恰好よく着こなせるか、マックイーンや「メンフィスベル」のビデオ、ロバート・キャパの写真集をボンクは繰り返し何十回も観ました。・・結局ボンクには恰好よく着こなすことはできませんでしたが。

酔っぱらって夜中に学校のプールに忍び込み、服を着たまま友達にプールに突き落とされた時もボンクは「A-2」を着ていました。

当時付き合っていた彼女とケンカをしたとき、窓から「A-2」を放り投げられたこともありました。

夏場、デートの時にショートパンツに「A-2」を着ていき、離れて歩かれたこともありました。

 

就職の面接に「最初のインパクトが大事やねん」「個性を見れへん会社に誰が行くねん」(ボンクの関西弁バージョンです)と訳のわからないことを言いながらスーツのジャケットのかわりに「A-2」を着て行こうとし周囲に止められたこともありました。

 

それほどボンクには大切な革ジャンだったのです。

あれから約20年、たくさんの思い出を作ってくれたボンクの「A-2」。

リブはボロボロになりライニングは擦り切れてリペアに出さないと着れる状態ではありませんが、ボンクはこれからもあえてリペアに出さないでおこうと思っています。

 

(編集者注) これはボンクの革ジャンなどに対する個人的な思い出です。

革ジャンを着たままプールに入ったり、革ジャンを洗濯機で洗ったりはなるべくしない方がよろしいかと思います。

 

思い出がつまった革ジャン.jpg

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コメント(1)

かっこよい店長さんですね
素敵なお話しで感動しました
私も皮ジャン好きです

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2012年5月22日 15:09に書いたブログ記事です。

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