影響力のある大人

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ボンクがトロンコの出来上がったばかりの靴を見ていると、クアドリフォリオのご主人が工房の奥からとてもきれいなワニ革を出してきてボンクに差し出しました。

 

ボンク (ん?これを使って靴を作ろうということかな?)

     

ご主人 (にこにこ)

 

ボンク (・・全然考えてなかったんだけど・・・)

 

ご主人&トロンコ (にこにこ)

 

ボンク (でも、きれいなワニ革だなぁ・・・)

 

にっこり微笑みながら見つめるご主人となぜかトロンコ。2人ともボンクにも靴を作って欲しいようです。

 

ボンクの頭の中で繰り広げられた3秒ほどの葛藤の末。

「え~と・・。じゃあそのワニ革を部分使いしたローファーでお願いします。」

「ありがとうございます」とご主人。

 

そんな事の成り行きに乗ってしまうところもボンクらしいところです。

 

誰にでも影響を受けた人達がいると思います。ビートルズやストーンズの影響を受けてプロのミュージシャンを目指す人のように。

特に何かを目指す訳ではありませんが、ボンクの「モノへのこだわり」もいろいろな人達の影響を受けてきました。

 

そしてボンクはできる範囲で実際に使い、試してきました。

結果、ボンクには合わず失敗したモノ(ボンクはコレクターではないのでしっくりこず使わなかったモノは全て失敗になります)がたくさんあります。

一方では、ボンクなりにしっくりきてずっと使っていきたいと思っているモノもたくさんあります。また今似合わなくても10年後は似合うようになっていたいと思うモノもあります

 

ボンクが今までに最も影響を受けた人は、ボンクが20代の時に勤めていた会社の上司でした。ボンクがいた部署はたくさんある部署のなかでも特に上下関係が重視される封建的な部署でしたが、彼に限っては適度な緊張感のなかで臆することなく技術を磨かせてくれました。調子に乗ったボンクはカミナリを落とされたこともたまにありましたが・・・。

 

歳は40代半ば、とことん仕事をし、とことん遊ぶ、自分が興味のあることは何でもとことんする人でした。学生時代にボンクと同じスポーツをしていたこともあってか、よくボンクの面倒をみてくれたのです。

仕事帰りや出張時はもちろん、オフの日もボンクは色々なところへ連れて行ってもらいました。

 

ボンクが靴に興味を持つようになったのも彼の影響でした。

取引先に行く前には必ず「靴磨いて行けよ」の声が掛かります。ボンクは何百回聞いたことでしょう。

 

彼は甲が高いこともあって既成靴はシルバノラッタンジの靴を愛用していました。会社の自分のロッカーにシルバノラッタンジの靴を常に56足入れていて、仕事が終わるとネクタイを外し、サッと履き替えどこかに消えていきます。

彼から受けた影響は靴だけではありません、仕事に対する姿勢、人との付き合い方、遊び、そして気に入ったものを大切にとことん使うこと。

 

そして確実に言えるのは、彼に魅力がなければ何の影響を受けることもなかったということでしょう。

 

5年後、シルバノラッタンジをサラッと履ければとボンクは思っています。

 

 

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このブログ記事について

このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2012年6月19日 17:56に書いたブログ記事です。

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