夏に想うこと

| コメント(0) | トラックバック(0)

夏は過去にいた人たちを想う季節だとトロンコは思っています。

おじいさんやおばあさん、伯父さん、伯母さん、お母さん、友達など、自分より先に死んでしまった人のことを思い出します。

それは義務感や何かの影響などではなく、魂がそう思わせているように感じます。

亡くなった人たちについて思い出すのと同時に、夏にはなぜか自分が見たはずもない、それほど昔のことではない戦争のことや、それで亡くなった人たちのことを想うのです。

トロンコはフランス沿岸部の戦場となった街を見て回り、ドーバー海峡を渡り空襲のあったイギリスの町も訪ねようと思いました。

フランス沿岸部にあるカレーの町を小高い丘から長い時間見ているうちに当時の光景が見えるような気がするのは、街にまだ情念のようなものが残っているからなのかもしれません。

 

そうやって夏に起こった出来事について、トロンコが考えながらメモノートにそのことを書きつけていると、ニューヨークにいるボンクから電話がありました。

ビーチでメモノートを使おうとしたら、あまり使う気がしなかった、何とかならないか?と言います。

黒は夏の色ではないとボンクは言う。確かにその通りだとトロンコも思いました。

まさかビーチ用の蛍光色のメモノートを作るわけにはいかないし・・・。トロンコの夏の、海のイメージの色とは蛍光色だったのです。

トロンコが若い時、泳ぎに持っていくものは何もかも蛍光色だったことを思い出しました。

トロンコは、ビーチで美女を2人ほどはべらせてくつろいでいるボンクを思い描きました。

いつも楽しそうにしているけれど、実は深い事情があってニューヨークを離れることができないボンク。

普通ではないスペシャルなメモノートをトロンコも作りたいと思いました。

美女をはべらせているボンクにも似合うメモノートを。

 

トロンコはフィレンツェのクアドリフォリオご夫妻の工房をまた訪ねました。

丘を駆け下り、フィレンツェに向かう飛行機に飛び乗りました。

クアドリフォリオのご夫妻はいつもトロンコを笑顔で温かく迎えてくれます。

まだ出会ってそれほど日が経っていないのに、こだわりなく話しかけてくれる二人をトロンコはとても嬉しく思っていました。

世代が違ったり、立場が違うとどうしても構えたり、装ったりしてしまいます。

でもそういうことは何の意味もなくて、人に対する時はありのままの自分でいるべきで、それによって相手もこだわりをなくしてくれるということを二人と出会って、改めて思いました。

 

クアドリフォリオの工房には、実は普通の牛革以外にたくさんの変わった革があります。

特に爬虫類の革は、ご主人がオーダー靴のワンポイントで使うことが多いからストックしているものですが、実は相当に爬虫類系の革が好きなのではないかと思っています。

そんな特別な革を見ながら、トロンコは自分の好みに合いそうなもの、ボンクの好みに合いそうなものを選びました。

ボンクのように多くの人のリーダーシップをとって多くの人と一緒に仕事をするような人が使えそうなイメージの、特別なメモノートになりそうな革を選ぶことができたと思いました。

 

古い時代の建物が並ぶフィレンツェの街外れにあるクアドリフォリオの工房をトロンコは出ました。

まだたくさんの人が楽しそうにブラブラと歩いています。

フィレンツェに来るまで、戦場となった町を巡っていましたので、重苦しい気持ちになっていましたが、

二人と会ったことで、とても明るい気持ちになりました。

トロンコは清々しい良い気分に浸りながら街を歩いていきました。

 

 

夏に想うこと.jpg

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://writinglab.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/49

コメントする

このブログ記事について

このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2012年7月24日 18:57に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「特別なサマーオイルメモノート」です。

次のブログ記事は「ミュージシャンの後ろ姿」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。