夏の思い出

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ボンクには3才年下の弟がいます。小さい時はよくけんかもしましたが、ボンクは弟のことがとても好きでよく連れまわしていました。

 

ボンクと弟の遊び場は近くの公園でした。その公園にはグローブを持って行けばいつでも野球ができるくらいたくさんの友達がいました。まだ小さくルールもわからないため仲間に入れてもらえないボンクの弟も、転がるボールをみんなに文句を言われながら追いかけていました。

 

ボンクと弟にはこの公園でもう一つの楽しみがありました。

それは、毎週日曜日にトラックでやって来るホットドック屋さんで、優しいおじさんが一人で焼いていました。

いつもお母さんの目を盗んではお菓子ばかり食べていた弟はとくに楽しみにしていました。

日曜日ボンクと弟はお母さんにホットドック2つ分のお小遣いをもらい、公園で遊んだ帰り、おじさんが売っているホットドックを食べながら家に帰ります。

 

ある夏の日曜日、いつものようにホットドック2つ分のお小遣いをお母さんにもらい弟を連れ近くの公園に遊びに行きました。その日はとくに人が多く、野球をしているボンクの横で弟の目は常にホットドック屋さんに向いていました。

人が多いときは早い時間にホットドックが売り切れてしまうことを弟は知っていたのです。

弟はボンクを急かせましたが野球に夢中になっているボンクには届きませんでした。

そして野球が終わった頃には、ホットドック屋さんの車はなかったのです。

 

帰ってしまったホットドック屋さんの前で泣きながら座っている弟を見たとき、

子供ながらボンクは初めて弟に「なんてかわいそうなことをしたんだ・・・」と思いました。

ボンクは泣いている弟の手をとり家に帰りお母さんに手伝ってもらいながらボンクお手製のホットドックを弟に作ってあげました。

今から30数年前の夏の出来事ですが、ボンクはふと思い出すことがあります。そして今でも申し訳なかったという気持ちがこみ上げてきます。

 

そんなときは遠く離れている弟に電話をします。

「元気でやってるか?」ボンク

「おぉ、元気やぞ」弟

 

何気ない会話をしながらもボンクは心の中で「あの時はすまなかった」と思っているのです。

 

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2012年8月17日 11:51に書いたブログ記事です。

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