2012年11月アーカイブ

情熱

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トロンコとボンクのもの作りにおいて、絶対に欠かすことができない人たちがいます。

それはトロンコとボンクが使いたいものや、作りたいものを仕上げてくれる腕の良い職人さんたちです。

いくら二人がアイデアを出し合っても職人さんたちがいなければ、もの作りは前に進みません。

また、腕の良い職人さんたちと知り合っても、二人の思いが伝わらなければ、これもまたもの作りが前に進みません。

思いを伝えることは簡単なことではなく、何か月、時には何年もかかることがあります。実際ボンクは、インディアンの有名作家に4年がかりで思いを伝えアクセサリーを作ってもらったことがありました。

 

トロンコに見せた新しい革製品を作ってくれた革職人さんもそうでした。

彼は鞄作りを専門にしています。腕はとても良いのですが、普段は工房に来るお客さんに対しても口数は少なく決して愛想が良いとは言えない職人です。

 

しばらくの間はお互いの様子を見ながらでした。初めはコミュニケーションをとり少しでも距離を縮めることを目的にボンクは彼の工房に足を運んでいましたが、次第にボンクの目的が彼が作った鞄や小物、そして作業風景を見に行くことに変わっていました。

ただ鞄や小物を見ているだけで楽しく、特に会話は無くてもよいのです。

 

彼はお客さんにゆっくり時間をかけて見てもらえるように、わざと口数を少なくしこの雰囲気を作っているのかもしれません。

時間が合えばたまに食事をしたり、時には朝までお酒を飲みながらボンクは、彼なりのこだわりや彼がこれから作っていきたいものを聞き、またボンクたちが作って欲しいものなどいろいろな話をしました。

 

彼と出会ってから約1年半、口数が少なく、トロンコとボンクのアイデアになかなか首を縦には振ってくれませんが、少しずつ二人の情熱が伝わってきているような気がしています。

職人さんだけでなく、上司や部下、友人や家族、恋人、好きな人など言葉だけでは伝わらないことが多々あります。言葉だけで思いを伝えられる方が少ないかもしれません。

ボンクはすぐに思いを伝えようとはしません。時間をかけ相手のことを知り、自分のことを知ってもらう。必ず情熱は伝わると思っています。

 

 

 

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ものづくりの理想

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ボンクと一緒に尾道のバーに居合わせたお客様が見せてくれた大ブランドのオーダー品の品々から、老舗ブランドの顧客第一主義という誇りのある考え方が伝わってきました。
顧客が求めるものに最高のセンスと技術を持ってとことん応えたいという、純粋な物作りの情熱がそれらの品々には宿っているようでした。
顧客第一主義は物を作って売っている会社なら当たり前にしているはずでした。
しかし、最近の世のブランドや物作りの会社の多くの在り方にトロンコは疑問に思っていました。
顧客に情熱が伝わる良いものを届けたいという考えよりも、いくらの利益を出すかということに重きを置いた物作りがされていないだろうか。
利益を出さないと会社は続いていくことができませんが、その利益がその会社が作るものを買ってくれる人の幸せとそれを提供することを幸せとする作り手以外の人、株主のためのものであれば、最高のものを作るという目的と反対方向に努力が向いてしまうこともあるのではないかと思うのです。
これは多くの物作りの会社が直面していて、抱えているジレンマなのだと思いました。
でもこれを続けていると、皆がブランド化した物作り企業のものを買わなくなってしまうのではないだろうか。
でも多くの会社は以前の物作りに戻ることができないところまできている。
トロンコは、自分たちはこうならないようにしようと思いました。
自分たちが欲しいものを作っているWRITING LAB.は、顧客第一主義とは違うかもしれませんが、自分たちが作るもので多くの人たちが幸せになってくれたらといつも思っています。
幸せになって欲しいのは、トロンコとボンクの二人と一緒に仕事をしてくれている職人さんたちもです。
こんなことは恥ずかしくて本人たちに絶対に言えないけれど、例えば一人で家にいる時にトロンコは皆のホームページやブログをまわって見ます。
今彼らが何を考えて、何をしているのかを見ていると、愛おしさがこみ上げてくるのです。
二人に関わってくれる人全てに幸せになってもらいたい。
彼らはトロンコとボンクにとってスーパースターですが、世界的に見るとまだ名前が知られていない存在です。
そんな彼らと自分たちが良いものを世の中に送り出して、有名な物作り企業とは違うロマンのあるものを作りたい。
そして、それに結果がついてきて一緒に幸せになりたいと思うのです。

尾道から東に向かう汽車の中でトロンコはボンクから、実はこういうものを作ってみたのだと、新しい革製品と新しく知り合った一匹狼の革職人さんについて教えてもらいました。
また一人、一緒に幸せになりたいと思う仲間が増えそうでした。

 

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久しぶりの再会

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尾道のバーで久しぶりに再会したトロンコとボンクは、バーのマスターや数人のお客さんを巻き込み、時間を忘れひたすら話し続けていました。

 

ボンクが勢いでその場その場で思い付いたことを適当に喋り、トロンコがマジメな顔をして冗談で脱線させながらも冷静に話を整理しながらまとめる。

いつもの二人のやりとりです。ボンクは久しぶりのトロンコとのそんなやりとりがとても心地よく、改めてトロンコがいる心強さを感じていました。

ちなみに女性と会話をするときもトロンコはマジメな顔をしてサラッと冗談を言いながら独特な熊の色気を放ち女性を楽しませています。得ですね。

 

ボンクはたまにふとトロンコのことを考えることがあります。

 

なぜいつも冷静なのだろうか?

冷静に見えるだけで実は何も考えてないのだろうか?

ベストはいつ頃から着ているのだろうか?

なぜ少しぎこちない歩き方をするのだろうか?

そしてなぜあんなに歩くのが早いのだろうか?

なぜラムコーク一口で酔うのだろうか?

なぜあんなに食べるのに太らないのだろうか?

そもそもなぜあんなに食べるんだ?

あんなに食べる必要があるのか?

など

 

ボンクがこのバーに通い初めてから、いつの日からかお客さん達がバーに自慢の持ち物を持ってきて入手した経緯や思い出を話してくれるようになっていました。

この日はあるお客さんが珍しいエルメスのデスクマット、ブロッター、メモボックス、そしてティッシュケースのステーショナリーセットを、また違うお客さんがかなり年季の入ったアンティークのグッチのデスクマット、メモパッド、ブロッター、ペントレー、レターナイフのステーショナリーセットを二人に見せに来てくれました。

 

エルメスのステーショナリーセットは会社を継ぐ記念にお客さんの父でもある先代の社長からプレゼントしていただいたものだそうです。店頭にはほぼ置かれてなく、世界中の直営店から集めてもらったそうです。木と革を組み合わせデザインが統一されたステーショナリーセットはトロンコもボンクも、その美しさにしばらく見惚れていました。

 

グッチのステーショナリーセットも、どれも初めて見るとてもセンスの良いデザインで、革はかなり劣化はしているもののしっかり作り込まれたものであることはわかります。

これらのステーショナリーセットは正直そうそう売れるものではないと思います。もしかしたらほとんど売れないかもしれません。

資金力がある大きい会社だからこそお金をかけ遊び心で作れるのかもしれませんが、こういったものを良い材料を使いお金をかけ真剣に作っている。

 

資金面、技術面などハイブランドと同じようなことは二人には決して出来ませんが、遊び心や真剣さでは決して劣らないのではないかとボンクは思っています。 当然トロンコも思っているはずです・・・

 

代々受け継がれ100年、150年と使えるものを考え、作っていく。

 

想像するだけで夢が膨らむボンクです。

 

 

 

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尾道にて

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トロンコは尾道の町の雰囲気がとても好きでした。
多くの作家が東京を出て、たどり着き、この町の風景や人間模様にインスピレーションを得て作品を残していますが、それも分る気がする。
尾道の山の中腹まで上っている狭い通路に沿って身を寄せるように建っている家々、眼前の島によって視界が狭められている風景をいつまでも飽きずに見ていることができるし、この風景を見ていると、なぜか都会よりも人の営みについて考えさせられる。
尾道の町の印象はトロンコの心の深いところに降りて、いずれまた何かの時に浮き上がってくるのだろうと思いました。
トロンコは尾道の商店街から外れたところにあるバーに、ボンクに会いに行きました。
お酒を飲まないトロンコは、バーのようなお酒を飲むようなところに初めて来る時いつも気後れしてしまいます。
子供の頃、トロンコはゲームセンターの雰囲気が苦手で、たまに友達について行くことがあっても、一切ゲームに触れず、1秒でも早く出て行きたいと思う子供でした。
そのゲームセンターでの気後れと同じ気持ちをトロンコはお酒を飲む店で感じていて、自分の場所ではないような気がしてしまうのです。
ボンクがいるというバーの扉を開けて、店の中に入りました。
他のお客様と楽しそうに話しているボンクはすぐに見つかりました。どうやら靴の話で盛り上がっているようです。先週も靴の話で盛り上がっていた様子なので、ボンクはそれからずっと靴の話で盛り上がっていたのかな、とトロンコは思いました。
トロンコはいつものようにノンアルコールの甘いカクテルを注文しました。
美味しい甘いカクテルを出してくれるか、そうでないかでトロンコはそこにいてもいいかどうかを判断するところがあります。
ボンクとトロンコは再会を喜びました。同じ日本にいながら別々に行動していて、それぞれ行きたい場所を訪ねていましたので、久し振りにボンクの顔を見るような気がしました。
靴の話ではコードバンの靴を雨の日でも履くというボンクに対して、他の人はひどい時には水膨れのようなものが出切るから履かないと言います。
トロンコも他の人と同じように思っていて、そのためにコードバンの靴に対して敬遠していたところはありました。
でもボンクがよく履いているオールデンのVチップは光沢や色むら、造形など、本当にかっこよく、ちゃんと天気予報を気にしながら履いてみたいとも思うのです。
オールデンのコードバンの靴の最も良いところは、新品の状態よりも履き込んで味が出た時が一番良いと思い、それはボンクの言う通りだと思います。
大事に手入れして何年も履くことができる靴で、そんなものをトロンコはこれから手に入れていきたいと思うのです。
トロンコはボンクとこれからそんな何年でも使うことができるものを作ることができたらいいなと、いつも通りぼんやりと考えました。

 

 

 

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