2012年12月アーカイブ

もちろんこれからも続いていく

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 トロンコとボンクは女将さんのいるペンショップを訪ねるために神戸の街にやってきました。 
いつも自分たちが生活している街や家と違う、いつでも行くことができるこのペンショップのような心の故郷がきっと誰にでも必要で、たまに行くと前に来た時に時間が戻るような感じ、この場所だけでの時間があるような気がしていました。
大人になってそれなりに年齢を重ねて仕事をするようになったら、人から怒られることがなくなってしまいます。
大人なので怒られなくても自分のするべきことをしなくてはならないですが、でもたまに誰かに怒られたい、子供の頃お母さんに小言を言われたように厳しくも優しい言葉を掛けてもらいたいと思うものですが、ここでは女将さんがそのように声をかけてくれます。
ペンショップでその雰囲気を楽しみながら、お小言を言う女将さんと話しているとクアドリフォリオのご夫妻が店に入ってきました。

4人は再会を喜び合いながら、お互いの近況を話しました。
トロンコはクアドリフォリオのご主人が作ってくれた靴を履いているか、鞄の中に入れているかして、いつも身近に置いて大切にしていました。履いて半年ほど経った靴をご主人に見せるとご主人は大事にされている靴を見て、とても喜んでくれました。
昨年出会ったばかりのクアドリフォリオのご夫妻と今年はとても長い時間をともに過ごしたとトロンコとボンクは振り返りました。
二人のフィレンツェの工房にも何度も行って、シガーケース型ペンケース「SOLO」やメモノートの表紙、ボトルインクケース「CADDY」など、独特の世界観のある革製品を一緒に作り、それらはトロンコとボンクで「ノベリスト(小説家)のシリーズ」と呼んでいました。小説家の机上を彩るに相応しい、重厚で、見たり触ったりするだけでちょっと一息つけるような存在のものになりました。
クアドリフォリオの二人とはもっと長い時間を共にして、また何かを作りたいと思っています。
次にお店に入ってきたのは、一匹狼の革職人さんでした。

ボンクは一匹狼の革職人さんに頼んでダイアリーカバーを作ってもらっていて、その上品で美しい出来栄えにトロンコも驚いていました。
他の作品もどれも繊細な美しさを持っていましたので、二人はもっといろいろなものをこの一匹狼の革職人さんに作ってもらいたいと思っていました。
実は月一回は会っている木工家もやってきました。

月一回会っているので、久しぶりな感じはしないけれど、会うたびに何か新しいネタを持っている面白い木工家で、トロンコもボンクも彼の新しいネタを楽しみにしていました。
今年も彼は様々な木製品を世の中に出していて、本にも紹介されたペンスタンド兼トレイ「パラーレ」などもありました。
常に自分の作品をより良いものにしたいと向上心を持ち続けている姿勢、ひたすら木の杢の良さを追究するブレない姿勢にトロンコは自分にないものをいつも見ています。

メモノート、革封筒、SYO-HIなどを作ってくれた革屋さんも来てくれました。

トロンコとボンクの思い付きに、今年一年本当によく付き合ってくれたと二人は感謝しました。
メモノートの中身を作ってくれている印刷会社の人も入って来ました。
印刷のヤレ紙を提供してくれて、それがメモノートの始まりでしたが、原稿用紙罫のメモノートの中身でも辛抱強く協力してくれました。

こうやって今年年、二人が関わった人たちがペンショップに集まりました。
今日は少しだけ早いクリスマスパーティー兼、皆が好きな打ち合わせでした。
こうやって集まって、皆が大好きな仕事の話をする。
でも集まったみんなには仕事という意識はなく、何を作るかという話から脱線して、違うところで盛り上がったりしている。
そんな時は、ペンショップの女将さんが皆をたしなめることも。みんなそんなやり取りも楽しんでいて、夜が更けて欲しくないと皆が思っていました。

 
神戸のこの地で、トロンコとボンクの旅はいったん終わります。
この地で二人はまた何か、物作りをしていくのだと思います。
次二人にいつ会えるか分からないけれど、二人の物作りはまだまだ始まったばかりで、これからも続いていきます。

 

*トロンコとボンクのお話は今回でおしまいです。次回は来年1月8日(火)に、新たな試みでスタートをします。ぜひ引き続きご覧下さい。

 

 

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30代最後のクリスマス

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今ボンクは神戸にいます。神戸の街はいたるところクリスマスイルミネーションで飾られ、幻想的な街を家族連れやカップル達が楽しそうに行き交っています。

ボンクは2年連続、神戸でクリスマスを過ごすことになります。そして、ボンクの正面にいる相手も2年連続、トロンコさんです。30代最後のクリスマスをトロンコさんと・・・、決して楽しくないのではありません。

ボンクはトロンコと約束した時間よりも少し早めに待ち合わせ場所の喫茶店に着き、コーヒーを飲みながらトロンコと再会してからのこの一年を振り返っていました。

 

長年1人で世界中を歩き回り写真を撮り続けてきたボンクでしたが、いつの日からか、何を目的に写真を撮っているのかがわからなくなり、カメラを手に持っていてもファインダーをのぞくだけでシャッターを切ることもしない日々が続いていました。

そんなボンクを変えたのがトロンコとの再会でした。

 

この1年、トロンコは常にボンクと同じ目線で真剣に話し合い、真剣に楽しみながら一緒にもの作りをしてくれました。また、もの作りが思うように進まなくても、ストレスを感じずボンクが一生懸命になれる雰囲気もトロンコはつくってくれました。

All for One」、ボンクが学生時代にしていたスポーツでよく耳にした言葉です。

誰の力も頼らず、何事も1人で考え、チャレンジし、ときには耐え、その結果自分の思い通りになった時、喜びは独り占めです。それはそれで楽しいでしょう。ボンクも一時はそうでした。

All for One」、1年間トロンコともの作りをしながら、なんとなく思い出した言葉です。

かけがえのないパートナーだと思えたからこそ、なんとなく思い出せたのかもしれません。

 

何を目的にもの作りをしているのか?それは正直わかりません。今わかっていることは、トロンコとのもの作りが、只々楽しいということです。

目的はこれから何年もかけてトロンコと見つけていけば良いのではないかとボンクは勝手に考えています。

 

間もなく待ち合わせの時間です。今日は一日ゆっくり出来ます。

30代最後のクリスマス、トロンコとどこへ行こうかな・・・、久しぶりに二人に厳しい女店主がいるペンショップにでも行って怒られてくるかぁ。

 

ボンクなりに一生懸命になれた1年でしたが、一方でボンクはこの1年、家族の体調不良や、ボンク自身の体調不良でトロンコにたくさんの迷惑をかけてしまいました。

が、ボンクはトロンコに迷惑をかけて悪かったとは思っていません。トロンコもそんなふうに思われるのは嫌だと思います。

ただ、一つだけボンクはトロンコに心の底から思っていることがあります。

それは・・・「本当にありがとう」 です。

 

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人とのつながり

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ボンクに連れられて会いに行った一匹狼の革職人さんは、とても無口でトロンコも最初少し戸惑いました。
でも時間を共にするうちに特に言葉を交わさなくてもいいのではないかと思うようになりました。
お互い多くの言葉で自己紹介などし合うよりも、一緒にいる空気感などの雰囲気で感じが良く感じられるか不愉快か分かります。
相手の言った言葉によって合うか合わないか判断するよりも、自分の動物的(?)なカンを信じた方がいい。

それによると一匹狼の革職人さんは一緒に何かやりたい、繋がりを持っていたい人ということになります。
その後何度も会う機会があって、話すこともありましたが、その態度から一匹狼の革職人さんが誠実に二人に向き合おうとしてくれていることがはっきりと分かりました。
商品は、まだボンクが革小物をひとつ作ってもらっただけですが、これからも何かやっていきたいと二人は思っています。

一匹狼の革職人さんに会ったことで、ボンクが初めてトロンコの家を訪ねてきた時のことを思い出しました。
ボンクはトロンコみたいにいつも黙っている方ではなく、話題を投げかけたりして、会話を弾ませることができました。
相手のトーンに合わせて、相手の気持ちを楽にさせることができる。
トロンコには、ボンクがとても洗練されていて、世慣れた感じに見え、ボンクがなぜトロンコを理想の物作りをする相手として、自分を誘ったのか、そしてどうやってトロンコを知り、訪ねて来たのか分かりませんでした。
ボンクのこともいろいろ知りたいと思いました。
それは警戒心などではなく、ただの好奇心でした。
でも初対面で、トロンコはボンクに良い印象を持っていましたし、どこかで会ったような感覚を感じていましたので、何も聞かくなくてもいいとも思っていました。
あれこれ聞くのもつまらないような、野暮なような気がしました。
直感で、合うと思ったのだからそれでいいではないかと思ったのです。
ボンクの身の上や、今どうやって暮らしているかなど、ボンクが自分で話始めたらただ聞く、でもそれを聞いたからといって何も変わらない。

ただ合って一緒に何かしていたいからボンクといる、一匹狼の革職人さんもそんな存在になったらいいと思う。
ボンクと離れている時は一人で物を書いているトロンコで、皆それぞれの仕事があって、その仕事で生きている。


ボンクもそんなみんなもただ愛おしく想うトロンコでした。

 

人とのつながり.jpg 

 


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