結局残るもの

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二人の本が売れて、それを見た人たちが小さな町に押し寄せて、町は文字通りギュウギュウ詰めになりました。

この町の建物や通り、そして自然も多くの人に向けられて用意されたものではなかったからです。

 

でも今回のことで、トロンコとボンクだけでなく町の人たちも、宣伝だけで人を呼んではいけないのだと思いました。

しっかりと地に足が着いたいつもここにあるものの魅力で、自然に人がこの町を訪れるようにしないと、長く続けることはできないし、長く続く町の繁栄にはほど遠いと思いました。

 

町の人たちが疲れきって、もうこれ以上人が来ないで欲しいと思い始めた頃、町を訪れる人の数は減り始め、しばらくすると、また以前のようにこの町の駅で降りる人は1つの列車で一人か二人になりました。

町は気のせいか以前よりも寂しく感じられるようになりました。

 

本を売って、町にたくさんの人を呼ぶというトロンコとボンクの狙いは当たりましたが、それが町や町の人たちのためにならずに、二人はとても申し訳ない想いでいました。

 

本当は町の人に顔向けできない気分だけど、生活のために必要なものを買いに行かなくてはなりません。仕方なく11度は町に下りて行きました。

二人が伏目がちに歩いていると、町の人たちは誰もが親しげに声を掛けてくれました。

今回のことは二人が書いた本が原因となっていて、結果的に迷惑になったことを皆知っているはずなのに、どうして町の人たちは二人に優しくしてくれるのだろう。

町の人たちは、二人が本を出して都会で一生懸命売ったことは、町を良くしたいという一心でしたことだとよく分かってくれていました。

皆人生の経験をたくさん積んできた人たちばかりだったので、二人の気持ちをよく理解してくれていたのです。

二人は何もかも受け入れて、優しい気持ちでいてくれる町の人たちに心から感謝しました。

 

仮に何か迷惑をかけられたことがあったとしても、じっと相手を待つ。

そして相手が気付けば、いつでも優しい気持ちで相手を受け容れる。

二人もそんな人になりたいと思ったし、若い人たちに対してそうしようと思いました。

きっとこういう気持ちは代々受け継がれ、次の若い人へ、そしてまた次の若い人へと伝えていくものだと思いました。

 

二人は丘の上の家で、夜遅くまで話し合いました。

ボンクは夜に強いですが、トロンコは11時を過ぎると眠くて仕方ありません。

でもがんばって話し合って決めました。

自分たちも町でお店をはじめようと。

 

夜の風景.jpegのサムネイル画像

*今月のテーマは「勉強につかうもの」です。トロンコたちはこれからが大変です。いろんなものが必要になるでしょうね。今回はご紹介できませんでしたが、少しずつ登場すると思います・・。

 

 

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2013年8月 6日 11:24に書いたブログ記事です。

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