共感者を探す

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店を始めて町の人と一緒に町を盛り立てていきたいと思ったトロンコとボンクは、店を始める準備に取り掛かりました。

それまで自分の好きなものなどについて話していましたので、お互いが好きなものをよく理解していました。

自分たちが好きなものを扱う店にしたい、自信を持ってお客様に商品をお勧めして、共感してもらえることを喜びとするような店にしたいと二人は思っていましたので、その夢の形を他の人が見ても分かるような企画書を書きました。

書類に書いてもそれはただの絵に描いたものにすぎませんが、これがなければ何も始まらない。

この企画書を見せて、自分たちの店に投資してくれる人を探すのです。

夢がいっぱい詰まっていて、でも現実的な、これを見た人も一緒に夢がみられるような書類を作りたいと、二人は真剣に企画書作りをしました。

企画書を作っているうちに、何か神様が啓示をくれるような気分になってきました。

店を始めることに二人とも言葉にはしなかったけれど、不安な気持ちがありましたが、何でもできるような、最良の選択ができるような気分になってきたのです。

 

企画書ができたら、店の場所を探しました。

店の場所が決まらないと、どんな店になるのか説明することもできず、投資家を探すこともままなりません。

町のどの場所に自分たちの店を作るのか、歩いて探します。

以前お店がされていた空き店舗をいくつか周りました。

明らかに良い場所、メインストリートに面した場所、駅前などは小さな町でも家賃が高い。全てはバランスで、良い場所で店をするにはたくさんの売り上げが必要になる。

でも家賃の安い場所なら、最低限確保しないといけない売り上げも少なくて済むので、自分たちがやりたいと思うことだけに専念できる。

そんな考えの下で、二人はメインストリートから1本路地を入ったところにある、ある貸店舗にたどり着きました。

 

トロンコたちが扱う商品は競合の多い日用品ではないので、店の前を歩く人の多い少ないは問題ではないと、勇気を持ってその場所に決めました。

ボンクは今まで自分で決断してずっと生きてきたので、それほどの勇気を必要としなかったかもしれませんが、トロンコは今まで何となく流されるままに仕事をしてきて、幸運にもその道で生きてくることができましたので、改めて決断するということにプレッシャーを感じました。

 

家主さんに、自分たちがしたいと思っている店について説明しました。

トロンコはこのようなプレゼンテーションが苦手でしたが、一生懸命店について説明しました。

家主さんは二人がしようとしている店について、本当に上手くいくのかどうか理解できないと正直に言ってくれましたが、二人がしようとしている店がこの町を元気にする役に立つことは何となく分かってくれて、二人にお店を貸すことを承諾してくれました。

 

店の場所が決まったら、二人は投資家を探しに行くことにしました。

投資家探しは難航することが予想されましたので、手分けして大都市をまわることにしました。

さすがボンクはすぐに投資してくれる人を見つけました。

ボンクの今までの写真家としての仕事を知ってくれていた人で、ボンクならきっと面白いお店をやってくれるだろうと思ってくれたのでした。

トロンコは様々な伝手を頼って何人かの投資家と会いましたが、良い返事をもらうことができませんでした。

投資家は自分の大切なお金を託して、利子を受け取ることで利益を出しますが、それと同時にお金を貸した人の夢も自分のもののように共感して初めてお金を貸してくれる。

トロンコのプレゼンテーションはあまり上手ではなく、あまりにも控えめだったのです。

トロンコのことが、トロンコたちがやろうとしていることが理解できなければお金を貸してくれるはずがありませんでした。

自分が今までやってきたことの積み重ねがこういう時に表れることを改めて思い知りました。

 

でも幸運な出会いもあるもので、最後に訪ねた投資家はトロンコが今までやってきたことに共感してくれて、二人がやろうとしていることに興味を持ってくれました。

その人は言葉足らずのトロンコから言葉を引出し、投資を約束してくれました。

お金が集まったことは一安心で、それはとても喜ばしいことだけど、人々の期待を背負ったプレッシャーも感じました。町に帰って、早速店作りを始めないといけません。

トロンコは、夜遅くの汽車でボンクの待つ町に向かいました。

 

トロンコ8月.jpeg

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2013年9月 3日 20:04に書いたブログ記事です。

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