仲間が増える

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WRITING LAB.の店は理解者とも言えるお客様のおかげで、どうしようもないと困ることなく続いています。

考えてみると、この町を活気付ける役に自分たちも立ちたいと思って始めた店でしたが、結局のところこの町や周辺の都会に住む人たちに助けられていて、自分たちが何かの役に立てると思ったことが恥ずかしく思えました。

店を始めて二人は人の有難みがよく分かりました。

店は二人だけでも動いていましたが、時々理想ばかり言い合っているだけで、物事は実現しないことがよくありました。

 

トロンコもボンクも夢を語る理想家で、とても似ていました。

トロンコは自分たちと正反対の考え方でもいい、テキパキと仕事をこなす、実務的な人が仲間にいて欲しいと思いましたし、ボンクも仲間は一人でも多い方がいいと賛成していました。

 

トレノは、都会の書店でバリバリと仕事をしていて、出版社からも、同業者からも一目置かれる存在でしたが、生まれ故郷であるこの町に一人で住むおばあさんと暮らすために戻って来ていました。

 

おばあさんはまだまだ元気だったけれど、田舎で一人で住まわせておくのがかわいそうに思ったのでした。

そろそろ違う人生を歩みたいと思っていたこともあって、都会を離れて、この小さな田舎町で暮らすために仕事を探して町を歩いていました。

すると表通りから1本入ったところに新しくできたお店を見つけました。

WRITING LAB.」という名前も気になったし、何となく良いものを置いていそうな店だと思いました。

トレノはドアを開けて中に入りました。

店に入ってきたトレノにボンクが気付き、すぐにトロンコに声を掛けました。

トロンコとボンクはトレノが書店を取り仕切っていた時に、関わった本のことでとてもお世話になっていて、よく知った間柄でした。

3人は再会を喜び合いました。

 

トロンコとボンクは今までの仕事を続けながら店をしようと思った経緯を、トレノは都会の仕事を辞めてこの町に来ることを話しました。

トロンコとボンク、二人の気持ちと考えていることは同じでしたが、トロンコがトレノに一緒に働いて欲しいとお願いしました。

二人ともトレノの書店での仕事振りを尊敬していたし、二人にないものをトレノが持っていることも分っていました。

仕事を探していたトレノは二つ返事で申し出を承諾したので、WRITING LAB.の店は3人になりました。

トレノは二人のことをよく分かっていて、自分がどんな役回りをしたらいいか理解していました。

器用でどんな仕事もソツなくこなすトレノのようなところは二人にないところなので、二人は本当に助かったし、トレノに注意されるようなこともよくありました。

 

WRITING LAB.の店が3人になって間もなく、よく来てくれる物静かな紳士と話していて、そのポルトがボンクと同じカレッジ卒業だということが分りました。

ポルトは都会のとても大きな会社のエリートでしたが、今はこの町の近くの田舎町で絵描きとして暮らしていました。

ボンクとカレッジが同じということもあって、ポルトと3人は今まで以上に親しくなり、店が終った後で一緒にご飯を食べに行くようになりました。

ボンクが無理強いしたのだけど、何となく毎週土曜日の夜にしている会議にも同席してくれるようになりました。

ポルトは3人よりも少し年上だったので、考えることや態度などにどこか余裕があって、全体がいつも見えていましたし、ボンクが失礼なことを言っても笑って応じてくれましたので、会議の雰囲気はポルトの存在によって、とても和やかなものになりました。

議論が行き詰った時に、あまり口数が多くないポルトが打開策を提案するのが常で、WRITING LAB.にポルトの存在はすぐになくてはならないものになっていました。

いつも夢を語って言いたいことを言うトロンコとボンク、そんな二人を現実に戻すトレノ、3人を大きな心で見ているポルト。

4人の役割は決まって、この町の、WRITING LAB.の今年は終っていきました。

 

来年はどんなふうに活動していくのか4人も楽しみにしています。

 良いお年を。

 

 

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2013年12月 3日 10:56に書いたブログ記事です。

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