行ってみたい場所 ~南イタリア マテーラ~

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今月のテーマは行ってみたい場所です。各人が今行ってみたいと思っている場所について語ります。

 

万年筆屋という仕事柄か、イタリアは常に気になる場所としていつも心の中にあります。

文化的な基盤があり、独自の美を持っている国々で万年筆は作られているけれど、イタリアのペンは特に、見た感じ、持った感じ、書いた感じのフィーリングに訴えかける。

デザインの美しさはもちろん、使っていても良いペンだなと思えるペンは、私の場合イタリアのペンであることが多く、私はイタリアのペンを全面的に支持します。

アウロラ、オマス(今年2月閉鎖)、デルタなど日常的に使っている万年筆はそれぞれに特長があって、それぞれが作られているイタリアの土地に思いを馳せることができるし、イタリア人はこの万年筆をどのようなシーンで使っているのかと想像したりする。

私は万年筆を通してイタリアについて知り、万年筆を通してイタリアについて考える。

大して大きな国ではないし、豊かな国でもないけれど、なぜこの国でしか生み出すことができない美があるのかといつも考えます。

イタリアの工芸品は、貴族だけのものではないと思っています。

夕方町の広場に集まってくる着飾った男たちの姿からイタリアのファッションは、裕福な者だけのものではないと思えるし、きっとファッションと密接な関係にある万年筆も同様です。

庶民の美を追求する姿から、国としてのまとまりよりも、それぞれの地方、それぞれの町が自治、独立の心を持っているのではないかと想像しています。

中央に対する反発心、自分たちのことは自分たちでするという反骨心のようなものをイタリアの地方の町は持っていて、その心がそれぞれの地方を元気にし、美を生み出せるのではないかとロマンチックに思っています。

今は南イタリアのマテーラに行ってみたい。

石灰質の岩山をくり抜いて住居として人が住みついたという洞窟住居跡で有名なところで、旧石器時代には人が住んでいたとも言われています。

長い歴史の中で住人は代わりながら、1900年代半ばまで実際の住居として使用されていたそうです。

イタリア最南端近くという地理的な要因もあると思いますが、マテーラは外国の侵略を幾度となく受けてきましたし、この町に重税を課した貴族が住人に惨殺されたという歴史もこの町への興味を強めてくれます。

洞窟住居には貧しい人や何かから逃れてきた人たちが住みついたのだと思いますが、自分たちの町は自分たちで守らなければならないという自治、独立の心をマテーラの町からも感じることができると思っています。

 

イタリアは観光客が集まる洋の部分と危険な匂いのする陰の部分が隣り合わせにあるような気がします。

富と貧しさが鋭い対照を見せ、建前やきれいごとのなさにも強烈に惹きつけられます。

イタリアで行ったことがあるのは、ボローニヤとフィレンツェだけですが、イタリアの乾いた空気を吸って、真っ青な空の下に身を置いて、自分が生業としている万年筆について、自分の仕事についてゆっくり考えたいと思うことがあります。(Y)

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2016年6月 7日 10:35に書いたブログ記事です。

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