旅について~S等氏の場合~

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今月のテーマは旅です。

 Sトーの旅シリーズは以下にまとめられております。

 

① ロサンゼルス美術館、恐怖の生首事件編

② オーストラリアの脱出不可能な島、その時、悪魔の叫び声編

③ 北海道巨大熊との遭遇、距離約3メートル編

④ 誰も入らない夏の海水浴場編

⑤ 恐怖映画のシチュエーションそのもの、駅員もいない夜中の駅編

⑥ 行き先は地獄かも、地方の真冬の夜行バス編

 

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① ロサンゼルス美術館、恐怖の生首事件編 

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機内でゲームざんまいのため徹夜明けの状態で、朝のロサンゼルスの太陽はとても辛かった。

会議は明朝であり、ホテルでゆっくり泊まれることを期待していたSトーは、自分に連れがいることをすっかり忘れていた。

連れは機内でたっぷりと寝ており、Sトーとコンディションは全く逆だった。つまり、やる気満々であった。

翌日から帰国までの予定はずっと会議だったので、唯一のフリーであるロス到着日に美術館に行く事を最初から予定していた。

連れの興味はロサンゼルス美術館だった。特に彼の興味の対象は家具だった。

確かに連れの事務所には誰も使わない変わった椅子や机があった。後で聴いたところ、それらは中国の高級家具らしく、一つが何百万円もするそうだ。そりゃ誰も座らないわと思ったが、基本的に家具はニトリで調達するSトーにはそれらの価値は知る由もない。

そしてロサンゼルス美術館には世界的な家具も多くあった。

ロサンゼルス美術館は一見、東京にあるような 大きなビルである。その大きなビルが二つあり、全部見て回るには、数日かかる。

Sトーたちは5時間くらいしかいられなかったので、早速大急ぎで見て回った。

その日は平日で美術館には人はほとんどいなかった。実際に入り口のガードマン以外は一切見ていない。

ずっと見て回ったが、途中Sトーはさすがに疲れてソファーで休み、連れだけが家具の箇所を見て回っていた。

Sトーの目の前にはフランス王宮で使用されていた大きな鏡があった。天井の高いロサンゼルス美術館でもぎりぎりくらいの大きな鏡であり、その周囲を天使やなにかがいっぱいおり、すごくデコレーションされたもので、見ているとなにやらケーキを腹一杯食べたような気持ちになり胸やけがした。

誰もいない静かなフロアーでふと視線を出口付近に向けると、別の展示物が目に入った。それは人の首だった。

近づいて良く見るとそれは石像の首の部分で、ブッタの生まれたインドの遺跡のものだった。

日本のブッタと違い、ヤンキー面ではなく、普通の青年の顔だった。そうインドのブッタは普通の青年だった。

それが激動の中国で長期政権を作り、日本では一大文明を発展させた人物の素顔だった。

思考が悠久の時を巡っていたその時、誰かが遠くからSトーを呼ぶ声が聞こえたような気がした。しかし周囲には誰もいない。

ふと顔を上げると3階から連れが私を呼んでいた。

そう、もう帰る時間だった。

 

おしまい。

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2017年7月18日 12:03に書いたブログ記事です。

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