ペンの書き味

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今月のテーマは万年筆の書き味についてです。

各人が好みの書き味について語ります。

 

仕事柄様々な書き味の万年筆を試す機会に恵まれている。

ルーペでペンポイトの形を見るのは以前から好きで、ペンポイントの写真をコレクションしたいと思うほどですが、それぞれの形を記憶して、目に焼き付けています。

ペンポイントには本当にいろんな形があって、その形によって書き味も様々なので、万年筆のペン先調整をこれからやって行こうとしている、例えば弟子の森脇などは混乱しているかもしれません。

でも美しい形のものはやはり良い書き味を持っているので、目に焼き付けている形の中から、目の前のペンポイントに一番近いものを選び出して、近付けるようにする作業がペン先調整なのかもしれません。何かオリジナルのものを作るというよりも、模写をする感じです。

その人が一番書きやすいと思っている万年筆を見せてもらうと調整がしやすいのは、そういうことだからだと思っています。

ペン先調整してすごくきれいなペンポイントができたと思っても、その場合たいていインク出はほどほどです。

私はそれをバランスの良いインク出だと思っていますが、インク出を最大にしてほしいと言う方もけっこうおられるので、最も美しい形から離れていくことになります。

そうなると苦しい作業になりますが、忘れてはならないのは、この私の手の中にある万年筆は私のものではなく、そのお客様のものだということで、もちろんその方の好み、理想の書き味にすることが私の仕事なのだから、お気に召すように調整している。

ちなみに私が最も美しいと思うペンポイントは、きれいな球形もしくは台形で、切り割りの存在を感じさせないくらい寄りが強めのものです。

インク出を増やす場合、切り割りを開いて寄りを弱めていきますが、左右の一体感のようなものはなくなっていきます。

ペンポイントの光沢はとても大切な要素です。

白みを帯びたような光沢を持ったものが私は最も書き味が良いと思っています。

時々、ギラギラするくらいの光沢を持ったペンポイントを見ることがありますが、これの書き味は滑り過ぎて、かえって硬さを感じさせます。

力を入れてフィルムやすりで磨き過ぎているからなのだと思います。

よく柔らかいペン先の万年筆がいいと希望を言われることがあって、お客様の意図を汲まずに、フォルカンなどの、ペン先自体が柔らかい万年筆がそれだと思っていました。しかし、それは書き味が柔らかい万年筆をおすすめすればよかったのだと最近では思います。

先日本当に柔らかいペン先の万年筆を書かせてもらいました。

1940年代製のウォール・エバーシャープスカイラインという万年筆でしたが、あんなに柔らかい書き味の万年筆を今まで書いたことがありませんでした。

アメリカ人は不器用で、力の加減ができない人ばかりだとすごい偏見を持っていましたが、あんな繊細なペン先を使いこなすことができたのだ。

でもそれだけ柔らかいとちゃんとした文字を書くのは難しく、それなりのスピードで書こうと思うともっと難しくなりますので、柔らかすぎるペン先というのは実用にはあまり向かないかもしれません。

書き味の良い万年筆は、線を1本引いただけで分かります。

それは美味しいコーヒーやごはんと同じなのかもしれません。(Y)

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このページは、旅の扉 writing lab blog 管理人が2018年7月 3日 09:47に書いたブログ記事です。

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